津川友介さんの「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」という本を読みました。
人間、どうにも科学という言葉に弱いもので、例えば「科学で証明」やら「論文に載った」、「権威ある先生が言っている」などで物事を信じたり決めてしまう傾向があるように見えます。
近年では「エビデンス」という言葉が随分と浸透したように感じますね。
まあ、例の流行病に関する専門家の意見などの影響もあり一般の方でも科学らしきものに触れる機会が増えたおかげ……なんですかね?(笑)
ただやはり、科学でわかったことというのは、「現時点でもっともらしいとされる説」に過ぎないわけです。盲信するのは危険で、なんぼか割り引いて考えるべきなんですね。
……と、すこし説教臭くなってしまいましたが(笑)、この本の序盤の方にこのことがしっかり書かれています。
その上でエビデンスレベルの高いメタ分析の情報を本書でまとめ上げ、今後大崩れしないであろう現時点での究極の食事を紹介してくれています。非常に好感が持てますね。
現時点でほぼほぼ間違いなく体に良いと言えるのは以下の5つ。
・魚
・野菜、果物
・茶色い炭水化物(精製されていないもの)
・オリーブオイル
・ナッツ類
見るからに体に良さそうなリストですよね。
やっぱ地中海食は体にいいんだなあと思う次第です。この5つが多めに使われてますもんね。
上記5つを摂った上で、体に悪いエビデンスの多い下記を避けよう、とのこと。
・炭酸飲料(甘い飲み物)
・甘いもの(精製された炭水化物)
・バターやマーガリンなど
・赤い肉(特に加工肉)
この辺が悪いのは嫌ってほど語られてますよねえ。
加えて本書では「カロリーの質」が重要だと言われています。
これはどういうことかというと、
同じ100 kcalを摂るにしても、野菜をそのまま摂るのと野菜ジュースで同じだけ摂るのでは全く栄養の質が違うよ、ってことです。
食品の一部だけを摂ってるため食物繊維などが脱落しよくない、と。
確かにその理屈だと、玄米を精製した白米が良くない説明がよくできますね……。
で、目からウロコの記述がありまして、
「健康的な食事をするために必要なのは体に良い『食品』を選ぶことであり、成分が重要なのではない」とのことです。
βカロテンのみを摂取することで病気のリスクを逆に上げてしまうことを例にとりこれを説明されていますが、なるほどなあと思いました。
病気を治すのにも健康を目指すにも、現在の考えって対症療法かつケミカル至上主義なんですよね。
「この成分をとっておけばいい」みたいな。
実際は白米と各種サプリだけ摂って健康的な生活なんてできないですし、改めて「そうだよなあ」と思わされました。
なんにせよ知っている知識を再確認という感じの本書でしたが、
食事に対するモチベは上がる一冊でした。