私がADHD的症状に悩まされ、鬱病で倒れたのは何度も語ったとおりです。
実際に困っていましたし、実際に全く動けなくなり、何度も自殺を考え、時間を無駄にしました。
ですが今回紹介する本の著者、内海聡先生は、「発達障害も鬱病もねえよ」と存在すら一蹴します。
また、内海さんはワクチンの害についても、コロナ禍以前より「百害あって一利なし」と喧伝されていらっしゃいました。
そしていたあだ名(自称ですが)は「日本一嫌われ医者」。公にはツイッターすら制限され自身で書けないということになってしまいました。
……と、こう書くとなにやらヤバい人と思われるかも知れませんが、私は内海さんのファンですし好感を持っています。
内海さんの著書は何冊か読んできましたが、今回は「大笑い!精神医学」という本を紹介します。4コマ漫画の挿し絵もあり読みやすい上に、精神医学に対する今までとは異なる知見を得られると思います。
(kindle unlimitedでも読めるようですね~)
「精神医学」とはなにか
精神医学は、一見私たちのこころの問題や考え方に寄り添った優しい学問・医学のように感じられます。私も以前はそう考えていました。
しかし著者は前書きにて、精神医学を「日本だけでなく世界中の人々を薬漬けにし、廃人にし、監禁し、殺人を行ってきたれっきとした犯罪」と断罪しています。
更にページをめくると、「精神医学は詐欺」であり「牧畜産業」であると、次から次へと力強い言葉の数々。
「牧畜」。「家畜」は患者で、「エサ」は精神薬、「牧場」は家や精神病棟。
精神医学は、患者を薬漬けにし、医療費をむしり取り、最後は殺すためにあるのだそう。
あまりに尖すぎる主張ですが、なぜ著者はここまで鋭い言葉を並べるのでしょうか。
日本の精神科病院の数は先進国トップ
日本における精神科病院の数は先進国でトップです。
精神科病棟に10年以上入院している患者数は、2004年のデータで、9万1千人にも登ります。
(私も精神科病棟に勤めている友人と雑談しているとき、患者について「どうせ出られねーのに」と言っていたのを聞き、複雑な気持ちになったのを覚えています)
精神科病棟では年間2万人弱の患者が精神薬により死亡退院。
更に2010年の不審死のうち検死を行った3000人弱について、約半分が精神薬によるものでした。
自殺目的で多量服用したわけでなく、医師の処方に従って服用していた結果、中毒死したケースがここまであるのです。
そもそも、診断内容もめちゃくちゃ。
①アメリカの精神疾患の診断マニュアル(DSM)は利権絡みの精神科医の多数決で決められている
②同じ患者を違う医者が診断したら違う病名となることが多いが、これは医学として適切と言えるか
③精神病に対し、精神薬を出さない方が改善率が高い。そもそも精神薬は麻薬や覚醒剤と大差がない
これらをもって、著者は精神医学を断罪しています。
じゃあなんで精神医学は存在しているの?
精神医学の発祥は、優生学的思想に基づくと言います。
独裁者などが、異教徒や異民族や「知恵遅れ」と言われる人々を、差別・監禁・殺人するための「都合のいい言い訳としてのビジネス」が、精神医学の発祥です。
このビジネスを支持したのが、ビスマルク、レーニン、スターリン、ヒトラー。
内情が単なる人権侵害や殺人だとしても、それを精神医学として治療と言い張れるからです。
精神医学は、人々をコントロールするために都合が良いため存在している、とのこと。なんとも恐ろしいですね。
本書には「治療」と称した拷問の数々(瀉血療法、昏睡療法、電気ショック療法、ロボトミー手術など)が列挙されています。
私個人としては、ロボトミー手術は本当に悪夢だと思います。眠らされ、その間に前頭葉を切除され、怒ろうにも感情が何も湧いてこない、という話を聞き、本当に恐ろしくなったのを覚えています。
精神医学を捨てろ!
現代における精神医学の診断とは、全くのインチキであると断言されています。
①気分が落ち込んだ人(演技であっても)を医師の主観で鬱病と診断するなど、症状と病名を無理矢理当てはめるような診断
②仮説を基にしたずさんな診断(例えば光トポグラフィーは脳の血流量により精神の状態を規定する検査ですが、「脳の血流が少ない」から「精神に異常」となると証明されていない)
これらをもって、精神医学にかかることのバカらしさを説いています。
じゃあどうすればいいの?となりますが、著者は断言します。
「人生の中で生じるさまざまな精神的問題を精神科や薬で解決しようとする考えを捨て、精神医学を捨て」ろ、と。
「自分の心と向き合い、できる限り本当の原因を探」せ、と。
耳が痛い。確かに私なども、人生の上手くいかなさを、聞きかじったADHDという病名にすがり、精神科を訪れました。
それからADHD治療薬を服用し、人生が快方に向かうどころか転げ落ちるように心身を崩し、向精神薬を飲み、晴れて鬱病となりしばらく動けなくなってしまいました。
断薬し、筋トレや瞑想や内省により自分と向き合い、強くなっていこうと考えたのはつい最近です。それからこころの問題は少なくなっていっております。
……で、こう経験に即して考えても、安易に精神薬を掴んでから人生転げ落ちたのだなあと感じます。「上手くいかなさ」に甘えず向き合っていれば、とは思ってしまいますね。
それほどまでに精神薬はヤバい、のです。
人間って、今の状態を説明できたり認めて貰えたとき、安心する傾向があると思うんです。謎の倦怠感と咳に悩まされてる段階だと怖いけど、医者に掛かり具体的な病名と診断してもらったら一安心、みたいな。
著者はそんな安心は捨てろと、そんなもん甘えだからもっと自分と徹底的に向き合え、薬なんか飲むな、そう言っています。
他の精神医学の問題点
他、著者はこう述べています。
・発達障害は捏造(私自身も発達障害に関連する症状は存在するとは思う一方、これほどまでに発達障害の該当者が増えたのは「何か」があるとは思います)
・鬱というのは「病気」ではなく「状態」(「クビになって落ち込んでいる」、「ペットが死んでしまって落ち込んでいる」、どちらも落ち込んではいますが全然違いますよね)
・精神科にかかる患者は全て詐欺の被害者
それと、精神薬は全て麻薬であるから捨てろと言っています。
鬱病の治療を受けた患者は、受けなかった人に比べ3倍仕事などの休止を余儀なくされ、7倍も再起不能に陥る可能性が高まるとの論文を紹介されています。
精神薬依存に陥っている患者にとって、断薬は苦行ですが、必要と述べています。
少しずつ減薬するなり、有酸素運動などで神経系を安定させるなり工夫をしつつ、自分と向き合うしかないのです。
……私もADHD治療薬、抗鬱剤から抜け出すの、かなり苦労しました。
まとめ
というわけで内海聡先生の「大笑い!精神医学」ですが、かなりハードボイルドでしたね。
本書では更に、精神医学を取り巻く陰謀(笑)などについても詳しく書かれています。
新たな知見を得られる上に、面白い一冊でしたのでよしなに~。